難聴の原因と治療

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難聴の原因と治療
千葉 星雄

【監修】千葉 星雄

にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者

難聴には、さまざまな原因がありますが、聞こえに関わる経路のどこかに問題があって起こります。

生まれつきの難聴がある人もいれば、成長の過程や成人してからの病気などで難聴となる人もおり、誰しもが難聴になる可能性があると言えるでしょう。

今回の記事では、小児、成人それぞれの代表的な原因を紹介します。

小児難聴の主な原因

子どもの難聴は生まれつきの難聴のほか、感染などによって生じることもあります。乳幼児期からの難聴は、ことばの発達に大きな影響があり、早期発見とその後の継続的なフォローが大切とされています。

先天性難聴

先天性難聴は生まれつきの障害ですが、遺伝性のものと、そうではないものがあります。それぞれ約1/3ずつと考えられており、残りの1/3は原因不明です。

遺伝性の要因

遺伝的な要因は子どもの難聴の原因のひとつで、難聴に関わる遺伝子は複数あると考えられています。難聴遺伝子を持っているからといって必ずしも難聴になるわけではありません。両親が難聴ではなくても、遺伝子の組み合わせによって子どもが難聴になることがあります。

遺伝性以外の要因

遺伝性以外の要因としては

  • 風疹
  • サイトメガロウイルス感染
  • ヘルペス感染
  • 梅毒
  • 早産
  • 口唇口蓋裂
  • ダウン症

など、妊娠中の母体の感染症によるものや、出生時期によるもの、生まれつきの奇形や染色体異常などが挙げられます。

慢性中耳炎

中耳炎は子どもがかかりやすい感染症のひとつです。中耳に何らかの細菌が入りこんで炎症が起こり、痛みや膿が生じます。

一端改善しても、何度も繰り返すこともあります。中耳は音を聞く経路の途中の段階にあたります。中耳炎が慢性化すると、その経路が遮断されてしまい難聴を起こすというリスクがあります。

成人難聴の主な原因

大人になってから急に発症する疾患や生活習慣が原因のものもあります。

突発性難聴

突発性難聴は、突然の急激な聴力低下で発症します。一般的には片側のみの発症です。ストレスや疲労のほか、何らかの感染によるという説もありますが、明確には判明していません。

成人が多いとは言われていますが、実は子どもから高齢者まで幅広い年代で起こる可能性のある難聴です。

原因ははっきりしないものの、耳鼻科を早期に受診し、何らかの治療が開始されることが大切と言われています。

ただし、改善については人それぞれで、病前まで回復する人もいれば、後遺症が残ってしまう人もいます。

騒音難聴

耳は人間の身体の中でも非常に繊細な感覚器官です。耳の奥にある感覚細胞は、大きな音に晒されることで損傷し、機能低下してしまうことがあります。

工事現場での慢性的な騒音や、コンサートでの大きな音のほか、ヘッドフォン(ヘッドフォン難聴)を装用して音楽を聴いていることでも起こり得ます。

ゆっくりと幅広い高さの音の聞こえにくさに広がっていくため注意が必要です。日常的な生活習慣を調整したり、防音用のイヤーマフを装用したりすることで予防ができます。

老人性難聴(加齢性難聴)

老人性難聴は、加齢によって引き起こされる難聴です。徐々に高音が聴こえづらくなることと、話しことばが聞き取りにくくなるという症状が、生活上でも影響を与えてきます。

年齢と共に、全身の機能は衰えていくものですが耳の機能も同様で、誰しもが通る道といえるでしょう。

老眼には老眼鏡を使うように、老人性難聴には補聴器で聞こえ方を補っていくことで、生活の質を保っていくことに繋がるのではないでしょうか。

聴神経腫瘍

耳の奥には、音の情報を脳に伝える神経や平衡感覚を司る神経があり、これらの神経のどこかにできる腫瘍を聴神経腫瘍といいます。聴神経腫瘍は基本的には良性で、ゆっくりと大きくなるため、自覚症状が出づらいという特徴があります。

腫瘍が大きくなると、部位によっては近くの神経を圧迫し、顔面神経であれば顔面の麻痺やしびれといった症状が出ることもあります。

メニエール病

ぐるぐると目のまわるような激しいめまいに襲われることが特徴の病気です。立っていることが辛いほどのめまいは、生活に影響を与えることもあります。

耳の奥の方にある前庭や蝸牛という器官が関わっています。そのため耳鳴りや難聴といった耳の症状も表れます。40代前後の女性に多いと言われており、ストレスや疲れなどの影響が疑われています。

小児・成人に関わらず気をつけたいこと

聴こえにくい、と思ったときに注意したいことを挙げておきましょう。

自己判断はせず耳鼻科へ

難聴の症状は自己判断をすることは難しいものばかりです。耳鼻科では、聴力検査のほかに、耳の奥を検査する設備が揃っており、客観的に確認してもらうことができます。

必要であれば治療を受けられるほか、補聴器の必要性についても助言をもらうことができるでしょう。

早期の治療開始が大切な疾患もある

先延ばしにすることで、本来は改善の可能性があった症状が後遺症として残存してしまうこともありますから早めに受診をしましょう。中でも特に急激な聴力低下は、すぐにでも受診することが大切です。

補聴器の装用で生活の質を上げる

子どもだけではなく、大人にとっても、聞こえ方は言葉やコミュニケーションに影響をします。

どうしても改善が難しい難聴もありますが、自分に合った補聴器を選択してきちんと装用することで、生活のしやすさに繋がることが期待できます。

まとめ

難聴といっても原因は様々です。その原因によっては治療ができることも、また治療が難しいこともあります。

視力が悪い人が眼鏡を使うように、補聴器は、耳の聞こえづらさを補い、生活をしやすくするために使っていきたいものです。

(本記事は、言語聴覚士が作成・監修しています。)

この記事を監修した人

千葉 星雄

にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者

千葉 星雄(ちば としお)

北海道出身・北海道大学 工学部 卒業
茅ヶ崎リハビリテーション専門学校 言語聴覚学科 卒業
言語聴覚士免許取得後、補聴器専門店と補聴器メーカーでの勤務を経てにじいろ補聴器を開業。