補聴器をつけたまま飛行機に乗って大丈夫?

補聴器をつけたまま飛行機に乗って大丈夫?
千葉 星雄

【監修】千葉 星雄

にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者

出張や旅行で航空機に搭乗するお客さまから「飛行機に乗る時は補聴器をつけたままでも大丈夫?」や「離陸・着陸の時に電源を切る必要はある?」と言ったご質問をよくいただくため、保安検査や離着陸、上空にいる間の補聴器の取扱い方法をご説明します。

保安検査

空港に着いてスーツケースなど大きい荷物を預けた後、必ず通る保安検査場では、金属探知機のゲートによるボディーチェックと機内持ち込み荷物のX線検査が行われますが、保安検査場で補聴器を取り外す必要はありません。

最近の補聴器は小型のため、金属探知機に反応しないことが多いですが、お使いの器種や電池の大きさなどによって反応した場合は、係員に補聴器をつけていることを伝えるとスムーズに対応してもらえます。

一方で、予備の補聴器など、手荷物として補聴器を預ける場合は、ケースに入れて機内持ち込み荷物で持っていきましょう。補聴器は精密機器のため、スーツケースの中に入れて預けてしまうと、運搬作業の途中で生じる振動や衝撃、雨風などの影響を受け、故障や破損してしまう可能性があります。

離陸・着陸

離着陸前になると、客室乗務員より電波を発する電子機器の電源をオフにするようアナウンスがありますが、補聴器の電源はつけたままで大丈夫です。離着陸時のみならず飛行中も補聴器はつけたままで問題ありません。

ただし、補聴器に付属するワイヤレスリモコンやFMシステム等は電波を発する電子機器のため、各航空会社の指示に従い離着陸時は使用しないようにしましょう。(メーカーによっては機内モードに設定できる補聴器もあります。)

飛行中

飛行中も安全のために補聴器は常につけておくことをおすすめしますが、機内は普段の環境とは異なりエンジンによる騒音が継続しているため補聴器の音が不快に感じてしまうことや気圧の急激な変化によって耳の中が詰まったように感じてしまうことがあります。その場合は、補聴器を一度外して、少し耳を休ませてあげるといいでしょう。

特に耳あな型やイヤーモールドを使用した補聴器の場合、耳の穴を塞いでしまっている関係で気圧の変化を受けやすく、離着陸時や飛行中、飛行機を降りた後に耳に違和感を感じる場合があります。

まとめ

飛行機に乗るときは、補聴器をつけたままの状態で大丈夫ですが、耳に「キーン」とした違和感を感じたり、頭痛が起きてしまった場合などは、補聴器を一度外してみるといいでしょう。

外した際には、機内で補聴器を紛失してしまわないようケースに入れてカバンにしまいましょう。旅行でいつもとは異なる場所に出かけた時には、うっかり補聴器を忘れたり、置いてきてしまったりすることが多いため、お財布・パスポート・携帯電話・家の鍵、そして補聴器も忘れないよう気をつけていただき、思う存分ご旅行を楽しまれてください。

(本記事は、言語聴覚士が作成・監修しています。)

この記事を監修した人

千葉 星雄

にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者

千葉 星雄(ちば としお)

北海道出身・北海道大学 工学部 卒業
茅ヶ崎リハビリテーション専門学校 言語聴覚学科 卒業
言語聴覚士免許取得後、補聴器専門店と補聴器メーカーでの勤務を経てにじいろ補聴器を開業。