骨導補聴器の特徴と注意点

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骨導補聴器
千葉 星雄

【監修】千葉 星雄

にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者

骨伝導ヘッドホンなどが発売されるようになり、「骨伝導」という言葉を耳にすることが増えてきたという方も多いかもしれません。

補聴器においても、この骨伝導の仕組みを利用した「骨導補聴器」というタイプが存在します。一般的な補聴器とは異なり、耳をふさぐことなく音を聞くことができる特殊な補聴器です。

ここでは、どのような方に骨導補聴器が向いているのか、また選択の際の注意点についても解説していきます。

骨導補聴器の仕組みと特徴

骨導補聴器は、骨の振動により伝わる音を聞き取る聴力(骨導聴力)を活用した補聴器で、耳の後ろにある骨の突起部(乳様突起)に振動を伝えて、頭蓋骨を介して聴覚神経に音を伝達します。

デジタル骨導補聴器においては、マイクで拾った音がDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)で信号処理をされ、聴力に合わせて出力を適切に調整します。DSPから流れてきた電流により、コイル状に電線を巻いた骨導端子(振動板)が振動して、耳の後ろの骨の突起部に伝えます。

電池は一般的な補聴器と同様に、空気電池を使用します。

耳栓やイヤモールドで耳をふさぐことがないため、補聴器装用時の閉塞感がないのが特徴です。

骨導補聴器の種類

骨導補聴器には主にメガネ型とカチューシャ・ヘッドバンド型の2種類があります。

メガネ型

メガネ型骨導補聴器

専用のメガネに装着するタイプの骨導補聴器です。

メガネのテンプル部分に骨導端子があり、耳の後ろの骨にあてて使用します。

視力にあったレンズを入れることでメガネとしての機能も果たします。

カチューシャ・ヘッドバンド型

カチューシャ型骨導補聴器

主に子ども向けの骨導補聴器です。

専用のカチューシャ、もしくはヘッドバンドに骨導端子を装着して使用します。

耳介の形状の影響でメガネをかけることができない方にも適しています。

骨導補聴器が適する伝音性難聴とは

骨導補聴器は全ての難聴に適しているというものではありません。

骨導補聴器の主な対象となるのは伝音性難聴と呼ばれる種類の難聴の場合です。

耳の入り口から鼓膜の手前までを外耳といいます。そして、鼓膜の奥には、小さな骨(耳小骨)の組み合わせにより、てこの原理で音を大きくしている部分があります。この部分を中耳といいます。
外耳から中耳までを伝音系といい、この伝音系に何らかの障害が生じた難聴を伝音性難聴といいます。

聴力測定において、ヘッドホンによる気導聴力と、骨導端子による骨導聴力という2種類の聴力を測定しますが、伝音性難聴では気導聴力のみが低下し、骨導聴力は正常な値となります。

骨導補聴器は、気導聴力が低下していて、かつ骨導聴力が正常(もしくは軽度難聴程度)の場合、つまり気導聴力と骨導聴力の差(気骨導差)が大きい場合に効果を発揮します。

しかし、ここで注意しなければならないのは、伝音性難聴は医学的な治療が可能な場合も多いということです。

医学的治療により気導聴力も回復すれば、補聴器そのものが不要となりますので、まずは耳鼻咽喉科を受診して難聴の原因を確認しましょう。

骨導補聴器を購入する際の注意点

骨導補聴器は耳をふさぐこともなく、メガネ型であれば一見補聴器には見えないなどのメリットがあり、お店で骨導補聴器を希望される方もいらっしゃいますが、特殊な補聴器であるため、選択・購入する上でいくつか注意点があります。

骨導補聴器が適する難聴か・治療可能ではないか

上で記したように、骨導補聴器が適しているのは伝音性難聴の方です。

伝音性難聴かどうかについては医師でないと診断ができません。また、伝音性難聴は医学的な治療が可能な場合も多い難聴です。

骨導補聴器を希望される方は、購入前に必ず耳鼻咽喉科を受診して助言をもらいましょう。

耳はふさがないが端子の圧迫感は多少ある

耳をふさがないのが骨導補聴器のメリットではありますが、その代わり、骨導端子を骨にきちんとあてる必要があるため、圧迫感や痛みを感じる場合もあります。

端子がきちんとあたっていないと音が聞こえにくいだけでなく、ハウリング(ピーピー音)の原因にもなってしまいます。

メガネ型の場合、レンズはメガネ店で入れてもらう

メガネ型の場合は、レンズを入れることが可能ですが、レンズに関しては補聴器店ではなく、メガネ店にフレームを持ち込んで入れてもらう必要があります。

また、テンプル部分の曲げ調整についても、より精密な角度調整は補聴器店よりメガネ店のほうが得意です。

これらについては、対応してもらえるメガネ店を自分で探す必要があります。

故障リスクは一般的な補聴器よりやや高いか

骨導補聴器は耳の後ろに端子をあてるため、汗の影響を受けやすく、また、最近の一般的な補聴器よりも防水性能が低い場合が多いので、故障リスクはやや高いと言えます。

取扱い店舗が少ない

骨導補聴器を製造しているメーカー自体も少なく、特殊な補聴器であるため、取り扱い店舗も限られてきます。

アフターケアも考えると、身近なお店で購入できることが望ましいです。

まとめ

主に伝音性難聴の方を対象とした少々特殊な補聴器が骨導補聴器です。

にじいろ補聴器でも骨導補聴器を取り扱っております。試聴器を取り寄せる必要があるため、試聴をご希望の方は必ず事前にご予約下さい。

また、骨導補聴器は購入前に必ず耳鼻咽喉科を受診して、骨導補聴器が適しているかどうかを確認してください。

(本記事は、言語聴覚士が監修しています。)

この記事を監修した人

千葉 星雄

にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者

千葉 星雄(ちば としお)

北海道出身・北海道大学 工学部 卒業
茅ヶ崎リハビリテーション専門学校 言語聴覚学科 卒業
言語聴覚士免許取得後、補聴器専門店と補聴器メーカーでの勤務を経てにじいろ補聴器を開業。