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デジタル補聴器の5つの特徴と機能
【監修】千葉 星雄
にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者
かつての補聴器はアナログ補聴器でしたが、現在販売されている補聴器のほとんどはフルデジタル化されています。
補聴器のデジタル化により、雑音抑制やハウリング抑制、指向性といった様々な機能が実現され、聞き取りの向上や快適性の向上に一役買っています。
この記事では、各メーカーのカタログ上でも頻繁に表れる、機能・性能を示す主要な用語について解説していきます。
チャンネル数(バンド数)
補聴器の性能を示す代表的な数字として「チャンネル数」というものがあります。
メーカーによっては「バンド数」という言葉で表現されている場合もあります。
私たちは低い音から高い音まで幅広い周波数の音を聞いていますが、補聴器はこの周波数帯域を複数に分割して音を処理・再現しています。
「低い音から高い音までを何分割して処理するか」を示したものがチャンネル数になります。
すなわち、チャンネル数が多い補聴器ほど細かく音の高さを区切って処理しているため、ユーザーの聴力に合わせた細かい調整が可能になり、より自然な聞こえを実現しやすくなります。
また、後述する雑音抑制やハウリング抑制、指向性といった機能もチャンネル数に依存して働く場合が多く、チャンネル数が多いほどよりピンポイントで雑音を抑えたり、人の声を優先的に拾いやすくなります。
一般的に、チャンネル数の多い器種ほど高額になります。
雑音抑制機能
難聴になると、補聴器で音の大きさを補ったとしても、雑音下での聞き取りが困難になる場合が多いです。
そこで、補聴器がマイクで拾った音を分析して、雑音と判断した場合、自動的に抑制してくれる機能が「雑音抑制機能」です。
人の声の音響的特徴を瞬時に判断することで、人の声は抑制せず雑音のみを抑制するという試みが各メーカーで行われています。
一般的に、高額な器種ほどより強力な雑音抑制機能を搭載しています。
ハウリング抑制機能
補聴器の出力が大きかったり、耳栓が合っていなかったりすると、すき間から音が漏れ、その音を再度増幅するということを繰り返し、ピーピーという音が鳴ってしまうことがあります。
この現象をハウリング(フィードバック)といい、これを抑制する機能が「ハウリング抑制機能」です。
最近の補聴器にはほぼ搭載されている機能ですが、メーカーや器種によってどの程度ハウリングを抑制できるかは異なります。
ピッタリと耳を塞ぐ耳栓やイヤモールドを使用している場合は、そもそもハウリングは起こりにくいのですが、閉塞感を軽減するために、わざと空気穴(ベント)を空ける場合もあるため、そういった場合や高度・重度難聴の方の場合にはハウリング抑制機能が特に重要になります。
指向性機能
雑音下での聞き取りを向上させるための機能のひとつとして、音を拾う方向を絞り込む「指向性機能」があります。
全方位の音を拾う「無指向性」に対し、単純な「固定指向性」では後方の音を抑制します。
後方の音を抑制することで、正面の人の声を聞き取りやすくするという考え方です。
上位器種では「適応型(アダプティブ)指向性」といった機能を搭載しており、後方だけでなく、雑音の方向を判断して、自動的にその方向からの音を抑制してくれるようになります。
ワイヤレス通信機能
両耳で補聴器を装用する場合に、両耳の補聴器が通信し合い、周囲の音環境をより精密に分析することで、最適な聞こえを提供します。
また、別売りのワイヤレスアクセサリを利用することで、補聴器の音量を調整したり、テレビや電話の音を直接補聴器に飛ばすといったことも可能になります。
メーカーや器種によって、対応するアクセサリは異なります。
また、スマートフォンと直接接続してリモコン代わりに使ったり、通話や音楽を楽しめる器種も登場しています。
まとめ
現在の補聴器には、より快適な聞こえを提供するための様々な機能が搭載されています。
ここで示したもの以外にも各メーカー独自の機能を搭載している場合もあります。
カタログ等を比較して自分に必要な機能が搭載されているか確認してみると良いでしょう。
(本記事は、言語聴覚士が作成・監修しています。)
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この記事を監修した人
にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者
千葉 星雄(ちば としお)
北海道出身・北海道大学 工学部 卒業
茅ヶ崎リハビリテーション専門学校 言語聴覚学科 卒業
言語聴覚士免許取得後、補聴器専門店と補聴器メーカーでの勤務を経てにじいろ補聴器を開業。