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補聴器の電池の種類・寿命・交換方法
【監修】千葉 星雄
にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者
補聴器は毎日の生活の中で使います。購入してからも気になるのは消耗品である電池です。
現在の補聴器の電池の主流は空気電池と呼ばれる聞きなれない名前をしています。ここでは、補聴器の電池について、取扱い方や購入の方法などを紹介します。
補聴器の電池 空気電池とは
現在、耳掛け型や耳穴型といった主流の補聴器では空気電池を用いています。空気電池の形状は、ボタン型と呼ばれる円形で少し厚みのある形状をしています。
上部と下部にそれぞれプラス(+)極とマイナス(−)極があり、プラス極側に小さな穴が空いています。この穴が空気に触れることで電気が通るようになるため、未使用の電池にはプラス極側にシールが貼られて販売されています。
空気電池は小型でありながらパワーがあります。補聴器は一日を通して使用するものですので、安定して使用できることが大切です。空気電池は補聴器の電池としてピッタリなのです。
空気電池を長持ちさせるには
空気電池の寿命(使用可能な時間)は、補聴器の器種や使用する電池の大きさによって異なります。
超小型のものであれば、4,5日程度で切れてしまう場合もありますし、大型のものであれば2週間以上持つ場合もあります。
また、その使用環境によっては電池の消耗が早くなってしてしまうこともあります。空気電池を長持ちさせるために注意したいポイントは次のようになります。
気温の低さに注意
気温が低い場所では、そうでないときに比べて、発電をするために多くのパワーが必要です。そのため、寒い場所で保管をして冷えた電池をすぐに使うことは、空気電池にとっては負担が大きくなります。
電池が冷えていたら、手の平で温めて冷えを解消してから使い始めましょう。
二酸化炭素に注意
空気電池は、二酸化炭素が苦手なため電池寿命を短くする原因となります。冬の室内では灯油を使ったストーブやファンヒーターを活用している人もいるでしょう。
こういった燃料を燃やす暖房では、二酸化炭素の発生が多くなり、空気電池にとっては負担が大きくなります。こまめに換気を行い、二酸化炭素が溜まることを防ぎましょう。
乾燥に注意
空気電池は乾燥も苦手です。補聴器本体にとっては湿気が苦手のため乾燥ケースにいれて保管しますが、電池は別の場所で保管しましょう。補聴器のお手入れの際には注意しましょう。
便利なワイヤレス機能も電池の消耗を早める
最近の補聴器はBluetoothなどのワイヤレス機能が搭載されているものが増えてきています。通話や音楽・テレビなどを楽しむ上でとても便利な機能ですが、電池の消耗を早める要因のひとつでもあります。
手元に予備の電池がなく、電池切れが心配な場面などでは、ワイヤレス機能の使用を控えると良いかもしれません。
補聴器の電池は世界で共通
補聴器に用いる空気電池は、世界共通のサイズ、記号と数字、そして色で区分けをされています。どのメーカーで製造されても共通ということです。以下に挙げた4種類があります。
- PR44(675)青色
- PR48(13)オレンジ
- PR41(312)茶色
- PR536(10A)黄色
青>オレンジ>茶色>黄色の順で小さくなります。
補聴器の電池の交換方法
補聴器の電池はいつ交換したらいいのかしらと不安になる方もいるかもしれません。交換のタイミングや電池の購入場所などを紹介しましょう。
交換のタイミング
補聴器は電池が切れそうになるとアラームで知らせてくれます。即座に切れるわけではありませんが、補聴器がもつ本来の機能を発揮できなくなることもあります。そのため、アラームが鳴った時点で交換することが望ましいでしょう。
特に外出する前にアラームが鳴ったときには、交換してから出かけましょう。また、外出先での交換に対応するためには、予備を持ち歩くことも大切です。
聴力は危険を察知するという役割もあります。外出先で不意に事故に合わないためにも電池の交換は先延ばしにしないようにしましょう。
交換の手順と注意点
補聴器の電池は、使わないときは取り外して保管しておくと良いでしょう。補聴器を装用する耳穴や耳の後ろは、皮脂や汗などが生じやすい場所です。
まずは補聴器全体の汚れを落とし、電池を外した後は補聴器を専用のケースに入れます。電池に汚れが付着しているときは、汚れを拭き取り、わかりやすい場所に保管しましょう。
どの電池を買えばいいの?
使用している補聴器に合ったサイズを選ぶ必要があります。基本的には、補聴器を購入したお店で推奨された電池を使っていれば間違いはありません。
しかし、補聴器店まで行かずに、近所で買えるものを使いたいという人もいるでしょう。使ってみたい電池があったら、お使いの補聴器で使用できるかどうか補聴器店に相談してみましょう。
電池を買うには
電池は、補聴器店で購入することができます。また、ホームセンターや家電量販店で購入できる場合もあります。
最近は、通販などでも手軽に手に入るようになってきています。
電池の捨て方
空気電池は水銀の適正処理のため回収を行っています。補聴器店のほか、メガネ店、家電量販店などで引き取ってもらえますので、気軽に問い合わせてみてください。
電池を交換しても不具合があったら
補聴器が使えなくなったというときは、まずは電池切れを疑います。しかし、電池を交換しても改善されないときには、別の理由が考えられます。電池が極端に短い期間で使用できなくなったときは、補聴器販売店に相談してみましょう。
また、補聴器は購入したら何も手入れをしなくても良いというものではありません。管理医療機器にあたる補聴器は、快適かつ使用する人に合った状態を保つために定期的にメンテナンスを受けることが大切です。
こんなことで連絡しても良いのかなどと心配せず、補聴器店に問い合わせてみましょう。
電池交換の不要な充電式補聴器も登場
従来、補聴器は電池交換が必要なものでしたが、現在では電池交換不要の充電式補聴器も発売されています。
夜寝ている間にしっかり充電しておけば、丸一日使用することができるので、電池切れの心配も不要です。
前述したワイヤレス機能の充実などにより、以前の補聴器より電池を消耗しやすくなってきているため、充電式の補聴器も購入の候補として考えても良いかもしれません。
まとめ
補聴器を快適に使うためには、電池の管理は欠かせません。現在補聴器で使用する電池は消耗品の空気電池です。毎日使うものですから、できるだけ電池を長持ちさせながら、快適に使っていきましょう。また、最近では充電式補聴器も各メーカーから販売されているので、補聴器販売店で最新の補聴器の試聴をしてみるのもおすすめです。
当店のオンラインストアでは補聴器用空気電池の販売をしております。日本全国からのご注文を承っておりますのでぜひご利用ください。
(本記事は、言語聴覚士が作成・監修しています。)
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この記事を監修した人
にじいろ補聴器 店長
言語聴覚士・認定補聴器技能者
千葉 星雄(ちば としお)
北海道出身・北海道大学 工学部 卒業
茅ヶ崎リハビリテーション専門学校 言語聴覚学科 卒業
言語聴覚士免許取得後、補聴器専門店と補聴器メーカーでの勤務を経てにじいろ補聴器を開業。